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NHKラジオ・朝の随想より

第9回「里山と農業」(2014年5月放送)

 どんなに時代が進んでも、作物が人工的な光を浴びて、無人の工場で生産されるような味気ない時代が来ないことを祈り、行動していきます。
 農業は、効率的にお金を稼ぐだけの作業になってしまったら、これ以上大変で効率の悪い仕事はないように思います。農業の役割は食料を生産するだけでなく、その生産活動を通じて、水田にたまった水は暑さをやわらげ、農村の景観をつくり、私たちに癒しや安らぎをもたらすなど直接的に目に見えにくい様々な役割を果たしています。
 昔から稲作農家にとっての里山は農地と集落とを密接に結びつける場でした。森の中はキノコ・山菜・薬草・腐葉土など人々の生活活動に係わるあらゆる資源調達の場であり、日々の生活のための燃料供給の薪などを採取する林として管理されていました。
 また、里山は自然に対する畏敬の念を育てたり、木や動物を育くむことへの感謝の気持ちを抱かせる、そんな精神的な拠り所でもあったのです。
 この様な身近な自然との密接な関係があればこそ、田んぼは、ホタル、トンボ、メダカやドジョウ等の多様な生き物が息づく、豊かな生態系を生み出してきました。
 今年、耕作放棄され、荒れ地となった農地を、もう一度田んぼに戻そうという取り組みを開始しました。目指しているのは、補助金でも食料増産でもありません。原野と化した農地を手作業で田んぼに戻すには、多くの人の協力がいると思います。水を引き田んぼとして復元することによって、稲が育ち、多様な生き物が住む生態系が生まれるだけでなく、そこに関わる人の繋がりも生み出せると考えています。しかし、農業を経済学の枠にはめて、効率や生産性だけで考えてしまうと、里山と農業はかい離したものとなり、日本が世界に誇るべき春、夏、秋、冬という四季も効率の悪いものと切り捨てられてしまいます。お金で測れない価値こそが農業の本当の価値であると信じています。
 とはいえ、私たちが資本主義社会の中で生きているということも事実です。それを踏まえながら、人と自然とが生き生きと協和する社会をどうやったらバランスよく実現できるのか。口先だけでなく、率先して行動する姿を子ども達に示していきたいと思います。

 

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