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NHKラジオ・朝の随想より

第10回「豊かさとは何か」(2014年6月放送)

 豊かな暮らしを送りたい。これは誰もが共感する人生の目標ではないでしょうか。
 皆さんは、どんな時に豊かだと感じていますか。私は沢山あるのですが、何も持たず、木漏れ日の差し込む森の中で鳥の声に耳を澄ましている時や子ども達が学校であった出来事などをキラキラした表情で話してくれている時、そんな何気ない一瞬に豊かさを感じています。
 人間は豊かになるために社会の仕組みや道具を際限なく進化させてきました。それらの様々な仕組みや道具は、私たちの生活に効率化と高速化をもたらしてくれました。私たちが今暮らしている社会は、どんどん複雑になって、昔は持っていなかったものが身の回りを埋め尽くしているようにも感じています。インターネットやパソコン、携帯電話などは、その代表選手ではないでしょうか。しかし、本当に私たちはこれらの仕組みや道具で豊かになっているのでしょうか。
 例えば友人との連絡手段を考えてみます。江戸時代は、馬や飛脚が手紙を運び、ちょっと前までは、手紙か電話でした。それが現在では、身近な友人はもちろん、海外にいる友人とでもSNSや電子メール等を使ってリアルタイムでお互いの近況を共有することができます。情報のスピードは飛躍的に速くなり量も増え続けています。
本来は、便利になった仕組みや道具のおかげで自由に使える時間が増えていればいいのですが、効率的になって出来たはずの隙間時間をまた何かで埋めるという繰り返しに陥っていないでしょうか。
飛行機の中から道端に生えている草花が見えない様に高速化した生活からは大切な何かが見えなくなっているように感じています。
先日家族で映画を見に行った時のことです。ふと、ベンチに座っている親子に目がいきました。両親はそれぞれスマートフォンの画面に見入り、子どもは携帯ゲーム機を無言でたたいています。本来、映画が始まるまでの時間に親子の会話があってもいいはずなのに、最近お気に入りの道具に隙間時間を泥棒されてしまっているようにも見えました。
 最近の子どもは…とばかり言っていられません。まずは大人から相手の目を見て話す時間を増やしてみませんか。きっとデジタル回線の中では見えなかった相手の表情が、気持ちが見えてくるはずです。
 たまには、携帯電話をおいて出かけてみませんか。最初は不安かもしれませんが、誰からも拘束されない豊かな時間を満喫できると思います。

 

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