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NHKラジオ・朝の随想より

第15回「必要なのは脱成長」(2014年7月放送)

 周りのみんなが右を向くと、意味もなく左を向いてみたい。そんな願望にかられたことは無いでしょうか。
 巷では、新潟市が国家戦略特区に指定されて、農業の6次産業化だとか、24時間稼働の植物工場だとか、ITを活用した大規模農業だとか、浮足立っているようにも見えます。また、成長しない産業は、ダメな産業の烙印を押されます。
 このことに何か漠然とした違和感を覚えています。本当に農業は成長し続けないといけない産業なのでしょうか。
 新潟市は、中央区から10分も車を走らせれば、地平線まで田んぼが続く田園地帯です。要は、田んぼが多い田舎町ということです。
しかし、大陸側から別の視点で見てみると、新潟は日本の入り口であり、佐渡ヶ島は玄関のようにも見えます。背後には2,000m級の山脈が控え、冬に降る豊富な雪は、夏場でも水が涸れることのない豊かな自然をつくりだしています。豊かな森林は、豊かな海を育て、暖流と寒流がぶつかる新潟沖は、海産資源の豊富な漁場となっています。日本海で生み出された雲は、新潟で雨や雪となって降り注ぎ、また海へと流れて雲になります。こんな素晴らしい自然循環を繰り返している新潟は食料自給率も100%に近い数字です。
 このように豊かな自然循環が、豊かな食料を生み出す素地となって、1900年頃まで日本の都道府県の中で新潟の人口が一番多かったそうです。まだ100年ちょっとしか経っていません。これから日本は人口減少局面に向かいます。新潟も例外ではありません。作物を効率的に生産し、海外の需要も取り込んで販売し、大きく成長しようとするのではなく、非効率や不便さと付き合うような、持続可能な生活スタイルに緩やかに変えていく必要があるのではないかと思っています。あとは循環可能なエネルギーを自給自足できれば、とても魅力的な地域となり、日本中、いや世界中の人から「私も新潟に住みたい。」と言われるような地域となれるのではないのでしょうか。
 個人的にはコンピューター制御された植物工場が林立するような田園風景には魅力を感じないですし、生き物の多様性があればある程、自然が豊かであるように、農業も多様であっていいのではないかと感じています。とはいえ、「効率的に成長し続けなければいけない」という大きな流れにちょっとだけ抵抗してみたいだけなのかもしれません…。

 

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