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NHKラジオ・朝の随想より

第26回「打つ手は無限」(2014年9月放送)

 私の子どもの頃、昭和50年代は、何もかもが急速に進化する時代で、21世紀になると宇宙旅行は当たり前のものとなり、自動車は空を飛んでいるばかりか、人は透明のチューブで街中を移動し、タイムマシンで時間旅行さえも可能になっているという風に空想されていました。
 さて、21世紀に入り、宇宙に行くことは出来ても、人類が他の星に移住することは難しいということがわかり、地球という資源も有限であることが意識されるようになりました。例えば、化石燃料を無秩序に使えば、人間にとって住みにくい環境となって跳ね返ってくることも分かってきました。しかし、増え続ける人口が新たな開発を助長し、食糧が増産されます。そのことがまた増え続ける人口を支え、また開発がされる、この繰り返しです。
 日本国内の食糧生産の現場を見てみると、農家の高齢化はどんどん進み、今後解消できる見込みもほとんどありません。耕作放棄地は増え続け、農業という業界はお荷物産業と揶揄されることもあります。マスメディアは、スーパー農家ばかりを紹介し、大規模化は良いこと、小規模農家はお荷物のような報道も珍しくありません。
 しかし、世界に誇る和食は、日本の豊かな自然環境で育まれる多様な食材と多様な農業から生み出されています。その財産を守るために農家はどうあるべきなのでしょうか。このまま効率化一辺倒の農業を進めれば、作物の多様性や生物の多様性が失われていくことは、火を見るより明らかです。
 素敵な日本の食文化を次の世代に繋げるためにも、もう一度、「人は自然の中で生かされている」ということを再認識し、どうやって自然が循環し将来へと繋げていくことができるのかを考える時が来ていると思います。
 上から目線の他人事で論ずるのではなく、農薬と肥料を使った農業を全否定するのでもなく、極端な情報発信で攻撃するのでもない。農家と食に関わる全ての人がバランス感覚を大切にして未来を創っていきたいですね。
 もしかして昔ながらの手法を現代に取り戻すことで解決できることもあるかもしれませんし、地域の仲間で連携することで解決できることもあるかもしれません。
 地球は有限だけども、人間の発想は無限だと思っています。思いもよらない新しいアイデアや技術が今私たちを悩ましている課題を解消してくれると信じたいです。
 まずは自分の身の回りで出来ることから始めましょう。打つ手は無限にありますから。

 

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