第18回「家族との時間を大切に」(2014年7月放送)

 農園の経営について良く聞かれる質問の中に、「農業経営する上で一番気を付けていることは何ですか」というものがあります。私は真面目に「働きすぎないことですね」と答えます。大抵の方は「ハァ~?」「こいつ、やる気あるのかな」という顔をします。でもそれが一番大事だと思っています。何故なら農業の仕事は本当に多岐にわたります。空いている時間を見つけて、この時間で何か仕事はないかと、どんどん仕事で埋めて、24時間働き続けることもできます。結果、売上高は増えますし、お金を使う時間も無くなるので、所得も多分増えるかと思います。その結果、家族と過ごす時間は少なくなりますし、所得と反比例して家庭での居場所は無くなっていくのではないでしょうか。それ以前に、身体を壊してしまいます。

 それでは何のために仕事をしているのか分かりません。まずは、家族の幸せを考えて行動したいですね。特に、子ども達が小学生までの幼少期は、親子のかかわりが非常に大切な時期だと思っております。自然の中で一緒に遊び、子ども達の遊びを笑顔で見守る。そんな何気ない日常を大切にしています。春の大型連休の最大のレジャーは田植えの手伝い!という農家だからこそ、夏休みくらいはのんびりと一緒に過ごしたいと思っています。大きくなったら、もう一緒に遊んでくれませんからね…。

 例えば、我が家の夏休みのある日常を切りとると、こんな感じです。早朝、農作業をして、戻ってから子どもと一緒にラジオ体操に行きます。ラジオ体操が終わると、広場でドッジボールの練習、その後、昼まで農作業をして、昼食の後、チョット昼寝。午後の暑い時間帯は、子どもと一緒に近くのプールへ泳ぎに行ったりしています。ひとしきりクールダウン出来たところで、夕方農作業…からの昆虫採取といった感じです。

 どうですか、農家って何かいいなぁ…と思いませんでしたか。体験したい方は、ご連絡ください。一緒にプールに泳ぎに行きましょう。

 冗談はさておき、もう7月も終わりですね。田んぼでは、これから稲の穂が出てくる時期です。可憐な花を眺めながら散歩してもいいかもしれません。ここだけの話ですが、例年8月の上旬は家族でどこかに出かけて、農作業はサボっています。携帯電話にも出ないことが多いですし、メールチェックもしていません。ということですので、私を探さないでください。よろしくお願いします。